お魚の話し

第6回 「烏賊(いか)」

 

 日本では、夏から秋にかけて美味しく食卓に上るイカですが、ヨーロッパでは、どうでしょうか?

 北海では、モンゴイカ(ヨーロッパコウイカ)やヤリイカ(ヨーロッパヤリイカ)などが水揚げされマーケットや魚屋等に並びます。しかし日本のように種類や量は多くなく、大抵の魚屋には、おいていない事がほとんどです。というのもオランダ人の間では、「イカ=気持ち悪い生き物、固くておいしくない」というイメージがあり、あまり好まれまれないのです。しかも新鮮な魚が流通しにくいヨーロッパで特に鮮度が必要なイカがマーケッットに出回るのは、とても難しいのです。 

 

 鮮魚と和食の専門店「フライングフィッシュ」では、スペイン、ポルトガルから新鮮なまま空輸されたヤリイカを仲卸より仕入れております。新鮮なイカは、刺身はもちろん大型の内蔵からは美味しい塩辛が作れます。3日~1週間天然海塩と日本酒で寝かせた塩辛は、格別です。またゲソも柔らかく生姜焼きや大根と炊き合わせも、美味しく頂けます。

第5回 「鰻(うなぎ)」

 

 

 

  オランダで鰻?あまりピンとこない方もいらっしゃるかもしれませんが、日本や中国に輸出されるほど、実はオランダの鰻とても有名なのです。 

 

 運河や湖が多いオランダでは、うなぎが地名や人の名前に使われているほど馴染みのある魚です。近年は、乱獲や鰻に寄生する寄生虫に因る病気等で減少しましたが、少しずつ漁獲はもとに戻ってきています。 

 

 そんなオランダの鰻ですが、鰻の薫製(gerookte paling) は、有名でオランダのどこの魚屋でも購入できます。夏の日に冷えた辛口の白ワインと脂の乗った鰻の薫製は中々他の国では、味わえないものです、是非一度お試しになられては、いかがですか? 

 

 とはいうもののやはり夏は、おいしい鰻の蒲焼きが食べたいと思われる方も多いのでは?鮮魚と和食の専門店「フライングフィッシュ」では、オランダの漁師から天然鰻を直接買い付けまして自家製の蒲焼きを夏の間ご提供しております。こちらも絶品の味わいです是非お試しください。 

 

第4回 「新鰊(にしん)」

 

 毎年6月の初旬になるとその年にとれた新ニシン、ハーリング(Hollandse Nieuwe) が一斉に売り出されます。今年は、6月9日(火)8時がその解禁日です。以前は、この解禁日より前に売り始める行為が目立ちましたが、2007年より法律で厳しく罰せられるようになったため、この違法行為は、目立たなくなりました。 

 

 この新ニシン、普通のニシン(塩漬けニシン)とは、どこが違うのかというとその名の通りその年に獲れたハーリングが塩漬けされています。この時期5月~6月にかけて獲れたハーリングは、脂ののり具合が最高で塩漬けにとても適しています。そして、まず最初のハーリングを女王様に献上して一般に解禁となるのです。 

 

 こんな小さな国オランダですが、地方によってハーリングも違います、小型でタマネギのみじん切りのみ、シッポを持ち上げて食べるスタイルがデンハーグ、ロッテルダム、少し大きめの型でタマネギとピクルスを付けて一口大にカットして食べるアムステルダム、小型で少し塩がきついのが南部の特徴など。オランダ人のハーリングに対するこだわりは、なみなみならぬものがあります。 

 

 そして、新ニシンはもちろん日本食にも合います。さっと酢で洗ってお寿司でもよし、出汁で割った生姜醤油で食べてもよし、三杯酢で食べる酢の物でもこの時期もってこいです。ポイントは必ず掃除したての新鮮なハーリングを購入することです。

そしてまず、店頭でオランダ人に混じって初物新ニシンを食べてみては、いかがですか? 

第3回 「貝」

 

 

 春から夏にかけて日本ではアサリの美味しい季節ですが、オランダ、ベルギーの海、中でもゼーランド州(zeeland)の砂浜ではコッケル(kokkels)という貝が採れます。この貝アサリには、似ても似つかない外見ですが、中身はアサリに似た食感、味覚です。かなり砂を噛んでいるので砂出しが必須ですがマーケットや魚屋でお手頃な値段で、お買い求めできると思います。また当地では、砂浜で潮干狩りも楽しめるようです。 

 

  フライングフィッシュでは、フランス(ブルターニュ産)のアサリ(palourdes)をこの時期ご用意しております。このアサリ、日本種のアサリを移植して繁殖させているので身質、食感そしてなによりも良い出汁が出ます。 

お味噌汁や酒蒸し、スパゲティー又は、大粒な物はバター焼きでも楽しめます。 

近種では、ヨーロッパ種でイタリア産の(vongole)もありますがこちらは、たまに砂噛みがあるので注意が必要です。

 

 その他では、マテ貝(scheermes)やバイ貝(wulk)などの色々な種類の貝が楽しめます。

第2回 「鯛(たい)」

 

 例年日本ですと、桜の開花する3月~5月位の頃は,桜鯛と言って内湾の浅瀬に鯛が産卵にやってきます。この頃は,入学、卒業、お花見、子供の日と普段にもまして鯛を目にするシーズンでもあります。日本では魚の王様といわれる鯛ですがヨーロッパではどうでしょう。

 

  通常オランダ・ベルギーのマーケットや魚屋でよく見かけるのが「Dorade Royale」と言われる黒鯛(日本のヘダイの仲間)です。

 

 ほとんどが養殖で型が大きくて鮮度の良いものは刺身にもなるフランス産で値段は少々高め。型が小ぶりで鮮度の落ちが早いトルコ、ギリシャ産は焼き物、煮物向きで値段はお手頃。 たまに、「Dorade Rose」 という名前で日本の真鯛に似た鯛を見かけますが、こちらは身割れし易く刺身には向かず焼き魚向きです。 

 

 魚店「フライング・フィッシュ」では,この時期ポルトガル、アゾレス諸島からPagere(ヨーローパ真鯛)という種の鯛を入荷します。漁師がモリで付いて漁をしているので日本活け締めに近い状態で入荷してきます。 

 

 この時期は日本と同じ様に卵や白子が腹に入っていますので,身は勿論お刺身で、卵は、だし、みりん、薄口醤油、針ショウガ、砂糖で味付けしただしの中に沸騰してから、一口大に切った鯛の仔を入れると花が咲いたようにひらきます。冷ましてから食べると中々の珍味になります。白子ですと塩焼きが一番です。

 

 アラは、強めの塩をふり小一時間おいて熱湯にくぐらせ、鱗や血合いを取り水から茹でると美味しい出汁がでます,ショウガを少し刻んでいれて塩と薄口醤油で味をととのえると鯛の潮(うしお)汁が出来上がりです。 

第1回 「鮪(まぐろ)」

 

 オランダやベルギーに流通しているマグロは、通常キハダマグロかホンマグロ(大西洋黒鮪)です。キハダマグロの原産国は、スリランカやインドネシア、オマーン、アフリカ諸国などで、ランク順にA~Cと分けられて入荷します。Aクラスは生食可で、それから加工等向けのCクラスまでにランク付けされ、おおむねおろした状態で真空パックになって空輸されてきます。オランダのオープンマーケットや魚屋で売っているマグロは、大抵このキハダマグロです。 

 

 さて、問題はこれらのお店で扱っているAクラスのマグロなら刺身でも大丈夫かどうかです。プロの鮮魚専門家によれば、触手が動かないものも多々あるため、信頼の置ける魚屋で購入することをおすすめします。 

 

 ホンマグロの原産国は、スペイン、ポルトガル、イタリア、クロアチア、等のヨーロッパ諸国です。最近は、資源の減少等で、各国で漁獲規制がしかれており畜養マグロの取り組みが、なされておりかなり商業ベースにのってきました。畜養マグロとは、ホンマグロが小さいうちに又は、産卵が終わってから、生け捕りにして洋上に浮かぶ大きな生け簀で3ヶ月~6ヶ月位かけて大きく成長させて大抵頭なし尻尾なし内蔵なし(ドレス状態)で出荷されます。

 

 鮮魚・和食専門店「フライング・フィッシュ」では、このマグロを卸売り業者から購入、販売しております。ホンマグロの旬は、やはり冬から春でやはりこの時期は、脂が乗り美味しい中トロ、大トロは、口の中に入れた時さらっととろける、と言う表現がぴったりです。是非一度お試し下さい。